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クローネ・グラウヴォルケの九地によるシングルピンナップクリスマス2018(縦)
クローネ・グラウヴォルケの九地によるシングルピンナップクリスマス2018(縦)
イラストSS
ラピスラズリの空から沢山の星が振ってくる。
今夜は聖なる夜――シャイネン・ナハト。
王都のルミネル広場の綺羅びやかな喧騒から離れて一人歩いていたクローネは、ほうと白いため息を吐いた。
吸血鬼という身の上。聖夜に良い印象なんて無い。
どこもかしこも浮かれて、キラキラしているから。目に毒なのだ。
けれど、目立つのは嫌いだから。聖夜に相応しい髪飾りを付けてみた。
赤いリボンに鈴が印象的なそれは、レド・ホワイトの髪に映える。
ひたり。
白い頬に冷たいものが触れた。
金の瞳で見上げれば、ラピスラズリの空から粉雪がひらりと落ちてくる。
「あ、降って来たッス」
紡いだ言葉に白い吐息が揺れた。
クローネは何をする訳でも無く、その場に立ち尽くす。
落ちてくる雪の結晶を手で救ってもすぐに解けてしまうから。
――儚い。でも綺麗。
困ったように小さく微笑んだ唇も。一瞬先には元の顔に戻っていた。
背に見える明るいツリーに目を伏せて、クローネは星降る夜の街を歩く。
吹いてきた風にふわりと、白い髪が舞って――
※担当GM『もみじ』