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イラスト詳細

アベルの音響による3人ピンナップクリスマス2018(横)

作者 音響
人物 アベル
刀根・白盾・灰
ジェック・アーロン
イラスト種別 3人ピンナップクリスマス2018(サイズアップ)
納品日 2018年12月24日

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イラストSS

 シャイネン・ナハト。世界はどこも煌めき、賑わい。──裏路地も然り。
 薄暗く不気味な雰囲気とは打って変わり、その声音は酷く明るい。
「カンパ~イ!!!」
 それは何度目の乾杯だろう。
 酒やジュース瓶の載った樽を囲むのは男と、ガスマスクの男女。
「ちょ、大丈夫ですか?」
 ぐらり、と足元をぐらつかせた刀根・白盾・灰がアベルに寄りかかる。背中をさすり、アベルは心配気に──表情はガスマスクでわからないが──彼の顔を覗いた。灰は「大丈夫です!」と張り切るものの、出来上がってる彼の足は覚束ない。
「肩貸しますよ」
「大丈夫ですって! この通り──おおっと、」
 灰はよろけて再びアベルに抱きつき、さしもの彼も成人男性に体重をかけられて少々よろめく。
「ほら、大丈夫じゃないでしょう。お酒もそろそろ、」
「いいや! 私はまだ飲みます! まだ飲めますぞ!!」
 酒に呑まれながらも酒瓶をぐっと掴む灰。彼と酒を離すのは中々難しそうだ。
 そんな2人を見ながらケラケラと笑うジェック。どこがツボにはまったのか──全部か。
「折角のシャイネン・ナハトだからネ、イッパイ飲めばいいんじゃナイ。もう1回カンパイする?」
「おお、やりましょう!」
「これ何回目でしたっけ……」
 ジェックが練達製ジュースパックを軽く振って誘えば、灰も瓶を持ち上げる。アベルもカップを持てば「乾杯!」と再び声は上がって。
「あれ、アベル殿はあまり飲み進みませんか? ならこれはどうです、飲みやすいですよ! さあさあ!」
「いや、それ酒じゃないですか。俺はまだ未成年ですよ」
 勧められる酒瓶にアベルは待ったのポーズ。しかし灰は相当酔っているらしい。アベルの持つカップに注ごうとして手元をふらつかせる。
 そんなやり取りは相変わらずジェックのどこかに刺さるらしい。もはや指差して大爆笑。
「アー、ナミダ出てキタ。拭えナイんだけど、ドウしようネ」
 くっついて取れないジェックのガスマスクだが、この下にはちゃんと少女の顔があるのだ。当然涙も出る。
「笑いましょう! 涙を忘れるくらい笑い飛ばしまうのです!」
「また涙が出るんじゃ……というか2人とも、」
 謎のテンションでまた乾杯しようとする2人にストップをかけたアベル。
「『乾杯!』って言ってますけれど、シャイネン・ナハトなら良い掛け声がありますよ」
「掛け声ですか?」
「……あ、ワカッター!」
 先に気づいたのはジェックだ。酔った頭で考えていた灰も暫しして思いつく。
 カップや瓶を軽く合わせて、合言葉のように口にするそれは──。

「「「──輝かんばかりの、この夜に!」」」

※担当GM『愁』

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