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リノ・ガルシアの白兎赤鳥による3人ピンナップクリスマス2018(横)
イラストSS
窓の外はしんしんと降り積もるスノー・ホワイトの雪。
室内はすっかりシャイネン・ナハトの装いになっていた。
天井から吊り下げられたレースの飾りには、星砂を散りばめて、ロマンチックな演出を用意。
オレンジ色の温かい光を灯すのは、星を象った魔法のランプ。
壁にはアティック・ローズとアイビー・グリーンの布が張り巡らされ。
いよいよ星降る夜の装いに花開く。
「サンタって貴族の慈善事業みたいなものなのかしらね?」
クッションにしなだれ掛かり、赤いワインを揺らすリノが黄金の瞳を流した。
イングリッシュ・アイビーの色をあしらって作られた彼女の衣装は、所謂サンタ服とよばれるもの。
片側に掛けた帽子とオフショルダーのドレス。そこから惜しげもなくさらされる美しい肌は妖艶だった。
彼女の隣にいるのは惑いの花酒亭に集う飲み仲間。ラダとレモラ。
この世界に元から居る純種の三人にとって、異世界のクリスマスという文化に正しい知識は無い。さりとて、市場でこういうものが沢山売っていたのならば。そういうものだと受け入れ楽しむのが一番良いのだろう。要は雰囲気を楽しんだものが勝者ということだ。
「なるほど、この腹は怠惰と飽食で出来上がっていると」
言葉を発したラダにリノの視線が動く。
普段は馬の足をしているのだが、今日は人間型に収まっているらしい。
ワインレッドの冒険者風ボーイッシュサンタ衣装がよく似合っている。
黄みがかった白いクセ毛を揺らして。ケーキに挿してあるサンタをひとつまみ。
冗談とも本気ともつかない声色にリノは口の端を上げた。
「そして、それを掻っ攫わんとする輩もいると」
レモラはウィンター・ブルーのミニスカートのサンタ服を身にまとい。
虎視眈々とターキーを狙う黒猫を片手で押さえつけた。
もう片方の手には美味しそうなタレの着いたターキーレッグを攫って。
金目の猫が恨めしそうにレモラの肉に手を伸ばす。
今日はシャイネン・ナハト。星降る夜のお祭り。
子供がプレゼントに目を輝かせ、恋人たちが愛を語らう。そんなイベントに。
されど、ゆったりと。いつもの調子で三人と一匹の時間は過ぎていく――
※担当GM『もみじ』