イラスト詳細
軍用踏空魔紋【Ventus】Ver.Scheinen Nacht
軍用踏空魔紋【Ventus】Ver.Scheinen Nacht
イラストSS
赤い瓦が敷き詰められたとある町のとある空。
そこを、ヘイゼルは闊歩する。
文字通り、空を歩いて。
「シャイネンナハトの夜、空を歩くのも良いですね」
いつも通り飄々とした笑顔を浮かべるヘイゼルは、深い緑に輝く瞳で眼下を見やる。緑は瞳からタトゥーに繋がり、頬を経て首筋から足全体へと走り抜ける。
煌々と輝き、タイツの下でぼんやりとした光を灯しながら、その果てに、大地へと降りた輝きは、そこから魔方陣を作り上げて、彼女の足場となるのだ。
「ふふふ、さて、次はあちらですね」
普段の清楚可憐でありながらつかめない雰囲気をそのままに、夜空を歩くサンタは散歩でもするかのようにゆらりと空を渡り、次なる屋根へとたどり着く。
翌日、この町の空でサンタが歩いていたといううわさが流れても、多くの人々はさほど驚かない。
空を行く種族なんてごまんといるのだから。
小さな奇跡を彩るシャイネンナハトの夜にあった奇跡の一つに、誰も正体を掴もうなどと言う無粋な真似はしない。
彼女に言わせるのなら、その夜に夜空を見上げた人々の目に映った彼女が、夜空を見上げた彼らにとっての彼女なのだろう。
※担当GM『春野紅葉』