PandoraPartyProject

ギルドスレッド

とある場所

【RP】幻想の端の森

薄暗い森の中。
時折獣の声が聞こえたり、ハイナのトラップが隠れていたりする。

(※ドラマ中は背後でその場に居る人に乱入の許可を得てください)

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……モノ喰うときに両親から感謝して喰えって言われてた意味がこんなに深いとは正直思わなかったな…糧にするありがたみも、命を奪う行為ってのも判ってるんだが…実際に喰われる側の言葉は重いわ。

いや、別に。あー…、いや、こう言うよりもアンタには俺との間ではそういうのナシにしようって言葉のほうが良いか。俺、友人喰いたくねえし、簡単に喪うのも真っ平ゴメンだ。だから今後そういうのナシで頼むわ。んで、それよりも沢山話しよう。

寂しいけど、帰りたい場所に帰って幸せに暮らせるなら俺はそっち応援するわ。それまでに沢山思い出作りゃいいだろ?

なるほど…あ、ハイエナって知ってる?俺の家族がハイエナなんだ。バリガって言ってな、もしかしたら街角とかで会った事あるんじゃねえ?
……礼は猫って言わないで欲しいってのを素直に理解してくれたから。偶にでも猫みたいだって言い続ける奴いるからさ

まあ俺の一族かは知らんが居たらしい。故人らしいけどな。

さあ?俺の一族も数が元々少なかったって聞かされてるから正直、普通の雪豹が居るかは…ハッキリ俺も見たこと無いから判らねえ。毛皮として出回ってれば居たのは確定かもな。

アンタは人が良すぎだ。自分のこと喰うとか言ってる相手なら善悪関係なしに警戒しろよな…

ん…。あ、アンタの場合体格かなり変わるんだから先に身体に着物被ってからにしとけよ。…衛兵呼ばれるから。
…両親も、とても優しい方だったのですね(と、目を細めながら)
私も単純に食らってるだけではない、と改めて感じさせられましたからね…

分かりました…ありがとう、アルク。食べてくれなくて
これからもいろんなお話、聞かせてください

ああ、バリガのお知り合い…家族だったのですか。ええ、街角でよくお会いしました
…そういえば、私が牛の姿だった時も、先ほどのアルクと同じように食らおうとしていましたね…(と思い出し笑いしつつ)

…なるほど。雪豹と分かりつつもそれでもなお猫と言い続けられるのは複雑なのですね
では雪豹だと思ってくれるよう、毛繕い致しましょうか(こくり、とそう頷きながら)

…元より珍しい動物、ですか
私もこの世界に来て初めて聞いた名前ですからね
毛皮…狩りとられてしまっている…?(少し眉間にしわを寄せつつ)

人を良すぎ、ですか? …本当、心配してくれているのですね。こんな畜生でも

着物を被ってからですか…被るのが大変ですね。手…前足が背中に届きませんし
そりゃな…。真っ黒な俺に白を混ぜた名を付けて、俺を守って殺された。優しくて、俺が依存してた両親だ。

ん、どういたしまして
…アンタの話も聞かせろよ。俺が聞きたいから

なんだ、バリガと普通に知り合いか…。
家族のことをクランってハイエナは言うらしい。バリガはクランのボスで母親的ポジションだな
アー…バリガ牛の肉一番好きだって言ってたからな…今度俺の友人だって言って置かねえとなぁ…息子の友人の事食物見る目で見るなよって。

猫ほど小さくもないし、それと同じに見られたら馬鹿にしてるようなもんだぜ?判ってるのに言われたらそりゃ腹も立つ
……待て、毛繕いがどうして雪豹に繋がったんだ。

らしいな。まあ人は利益を見る生き物だ。俺もそれはラサに居たから理解できる…肉食動物だって生きる為に喰うだろ?人が生きるには金が必要なんだから売る為=喰う為さ。その辺は仕方ねえよ。

あー…うん、まあ…心配してる。アンタ、俺の事友って言っただろ?……友人なら心配するさ。

ああ…確かになぁ…んじゃ、前だけでも隠そう。流石に前は人前で出したらダメだ。みんな別の意味で驚いて衛兵呼びかねん。
アルクというのは、白に関係する名前、なのでしょうか?
(両親は守って殺された)…そう、だったのですか
…私の両親…父親は私が生まれる前に売られていき、母は私が生まれた後で病で亡くなったりして、守るだの親孝行だのどころではありませんでしたからね…
不謹慎なことを言ってしまいますが…殺されたのは悲しいけど、
少しでも、愛情を受け取っていたのですね…アルク…

ふふ、語ることは少ないやもしれませんが…それでもよろしければ

クランというのですね。ここでの家族というのは…(納得するようにうなずき)
なるほど、バリガが母親で、アルクが息子なのですか…
ふふ、なんだか不思議な組み合わせですね。でも、何故か納得です
(バリガの牛肉好きについて)…ああ、大丈夫ですよ。バリガも思い留まっていましたから
けど、念には念をということで、アルクからも釘を刺していただくと安心、ですね

(想像してみて)…ああ、確かに。馬鹿にはされてるようなものですね。
大きいのに小さい扱い、とは。何のための存在かと思う程
おや、毛並みを艶が増すほど、威厳が増すのでは?(首を傾げつつ)

…ふふ、ありがとうございます
こんなに心配されると、義母のことを思い出しますね…

前、ですか…よし、最悪、素早く前を隠せるよう、練習してみます
(妙な気合いの入れようである)
ああ、俺の今名乗ってるの偽名なんだ。元の名前が嫌な訳じゃなくて、両親に呼ばれてたのを日常で思い出すのが辛いのと、俺が『信念の道を歩く』って名乗り始めたんだ。意味は旅人の書物を見て丁度いいのを見繕った。

『アベリアル・グレシアス』。アベリアルってのが家名になる。グレー…灰色って黒に白を混ぜた色だから「私達の白を真っ黒な我が子に」って。消すんじゃなくて、混ぜて愛してくれたんだ。

……なるほどな…体に親と同じ血が流れてんだから、アンタが生きる事で両親も生きられる…多分、子供の親孝行って生きてる事なんじゃねえの?

不謹慎、か。少し前の俺なら心の隅っこでそう思ってたかもな。今は嬉しい言葉だから気にならねえよ。こうやって思い出すのも良いなって思える。

はは、これから増えるさ。…つか、アンタ幾つだ?20くらい?まだ若そうだし(人の姿の外見をジッと見てそのくらいか?と首を傾げた)

いや、バリガが家族や一族のことをクランって称してるだけで此処でのって訳じゃねえよ。

ははは…(苦笑して)ホントそれ…俺の方が歳上なんだけどなぁ。なんつーか、心配性で俺の事息子って考えててさ。俺もそれで満足してるから良いんだけどな。
ん、今度言っておくわ。バリガも節度は弁えてるから言えばわかるしな

だろ?大人を子供って言うようなもんだからな。
……毛並みには気を遣うが、そういうの考えた事無かったな…牛ってそういうのあったりすんの?(毛繕いは汚れを落としたりコミュニケーション手段と考えてたので相手は違うのかなと尋ねてみる)

…、義母。え、俺母親みたいなこと言ってんの?

おう、頑張れ。人の姿と獣の姿の利便性考えると何時でも出来たほうがいいからな。
なるほど、自分でつけられた名前なのですね…けれども、前向きになれるような名前です

白も黒も全て受け入れる…混ざると、灰色になるのですね
……牛には全く無縁の愛情ですね(そう言いつつも、愛おしそうな笑身を浮かべる)

生きることが親孝行…そうですね、人間のように長く生きながらえることは難しいとしても、
最期の最後まで生きれば、それでいい、ですね…できることなら、子も産むまで長良えば…

ふふ、そう思えるほど、今の幸せを噛みしめている、ということでしょうか
…私に思い出す物があまり無いもので、いつか、そう思える風になるのでしょうかね

そうですね…義母曰く、2、3年程のようです
成人といわれるようなこの見た目は…天の恵みだとしか(そう苦笑いする)
ちなみにアルクはいくつほどでしょうか?

なるほど…習慣ですね
けれど、独自の文化を持つ家族というのも面白そうです

…やはりバリガは優しいのですね。きつい言葉を何度も言うけれども
(くすくすと、笑いながら)
今度また会う時が楽しみですね…ちなみに、家族は何人いらっしゃるのですか?

ええ…本当に雪豹の名前を知っててよかったですよ。今まで肉食の猫も存在するんだと思っていましたので…(小声)
そうですね…私の村では、毛並みが艶やかで逞しい雄牛ほど値打ちが高いとされていましたので…後、私自身の好み、でもありますね

ああ、それに似た言の葉をよく聞いたことがあるだけで…
けど…今のアルクは、私の母親みたいです(ふふ、と口を手で隠しながら)

はい、師匠♪(と、なんとなく呼んでみる)
前なんか向けてなかったし、んな大層なモンじゃねえよ。まあ、アルクとして生き始めて出会った奴等の方が多いからな。今の半分の歳まで両親が俺の世界の全てだったし

まあ、獣種は獣じゃねえからな。人と同じ様な愛情の示し方もする。…アンタのその黒杣牛王だって意味が籠もってんじゃねえの?名前ってそういうもんだしさ

ああ。…少し前までの俺はその言葉には簡単に頷けなかったが、周りのお陰でかなり考え方変わったから「そうだな」って言える。

まあな。今は周りと生きてるのが楽しい。元の世界に焦がれるのも良いけどさ、周りにも目を向けたほうが良い。じゃないと俺みたく長い時間、色んなのを犠牲に生きることになるからな。

二三ね…ニ三年!?(滅茶苦茶驚いて)え、じゃあ牛の年齢換算でそのナリになったのか…あ、ああ…俺は35。

キツイ言葉はアイツなりの線引きなんだ。バリガはバリガの事情があって人が得意じゃない。嫌いな訳ではなくて、得意じゃないんだ。
懐に入れたら甘やかすし愛して接するからな、アイツ。親と認めざるを得ねえくらいに。(嬉しそうに笑み)
今は俺ともう一人、ソフィーって奴との三人。これから増えるかもしれないし、増えないかもしれない。クランってのは家族よりは群れや一族って表現が合ってるんじゃねえかな。

……虎とかライオンも猫とは違うぞ。ちなみに犬と狼も違うからな?(釘を先に刺しておくムーブ)
なるほどな…まあ、毛並みは確かに大事だよな。汚くてボソボソになってたら箔がつかねえし。…ネコ科の舌で良ければ俺からも毛繕いしようか?
母親みたい……。俺、男だしなぁ…心配ってだけだし…

よせやい…こんな事で師として仰いでたらキリねぇぞ
なるほど…今日はアルクもグレシアスも出会ったことになりますが、
やはり『アルク』のほうが一番、ですね

なに、単純なものですよ。『牛王』は、村の中で一番売れそうだったから名付けられただけで、『黒杣』は、この世界にきてから、義母の名を借りただけですし…

…この世界にいる人達、アルクの周りにいた人達は、とても素晴らしいのですね
是非顔を合って拝んでみたいです(遠くを馳せ)

元の世界に焦がるより、周りを見る、ですか…
(一瞬で元の世界での大切な人の姿を思い出して)
……別に焦がれているというわけでもないけどもな、私は
(あどけない口調でそう呟く。なんとなく強がっているような気もする)

おそらく?(首を傾げつつ)…けど、この姿のほうが、人と接しやすいというのもありますね
35…流石、人です。普通の獣とは断然長寿ですね…(若干落ち込みつつ)

…ええ、心得てます。以前、牛の姿で現しても結局食べなかったり、素直でない口調の連発していたり、ね
アルクに、バリガに、ソフィー、ですか……(ここで、ふと、ある姿を思い出す)
…もしかして、そのソフィーという子は、猫耳の生えた娘方でしょうか?
なるほど、群れや一族…そうなると、牛と変わらない…のでしょうか…

はいはい、分かりました。そこは流石に間違いませんよ(ふふ、と笑いつつ)
よろしくお願いします、アルク。最近は、一人で毛繕いするのにも大変で、別種の舌でもありがたいものですよ…まさに、猫の舌も借りたいほど、ですね
ああ、別にアルクを母親だとか女だとかという意味で言ったわけでもなく…
…その義母…育て親の人が、自分の人間の姿を見ても「自分の子だから」と、心配してくださって…その言の葉と似ている、と

ふふ、でも、堂々と人と獣の間に変身している時点で、私は尊敬しますよ
まあ、アンタに会ったのは『アルク』だからな。仲の良い奴には俺の大事な本名も知っといて欲しいから教えるだけだし

牛王って牛の王って書くんだし、村で1番にって事だろ。売れそうだろうが何だろうが、そう育って欲しかったんじゃねえの。

バリガには会ってるみたいだし、他にも街角で会ってる可能性はあるんじゃねえ?俺、最近街角に立ち寄るより色んな場所見て回ってるから行かねえけどさ。

ダレン・アドリスってマッチョの幻想種の兄貴分とか、銀影…まあ、ランベールって言ったほうが通ると思うが、そいつとか、マリアっていう緑の髪の女。あとヴィクトリアっていう旅人の喋る雌猫とか…正直、其処まで多くねえよ。

………急に会えなくなったら辛いよな…。俺も、15歳の時に大好きだった両親目の前で喪ってそれから寂しくて、他が見えなくなった。まあでもさ、アンタの場合まだ生きてるんだろ?それなら何時か会いたいってのは当然だと思う。強がらなくても良いんじゃねえ?…んなことしてたら辛いだろ。俺は辛かった。(常に人の顔色を伺ってたお陰で強がってるのはなんとなくわかるし、元より元の世界にと言っていた。別に諦めろとも言う気はないのだ)
本当に平気なら余計な世話だって一蹴してくれていいぞ

ん?ああ、やっぱ会った事あるのか。多分、そのソフィーで合ってる。目の色が青と金の猫耳と尻尾のついた小さめのだな。
牛も群れるんだっけ?ちなみに雪豹は群れよりも家族か単独行動だな。ハイエナの獲物の追い込み方もこの前バリガに教わったわ

小声で肉食の猫っつったからだろ…
ん。俺もやってもらうなら返したいしな。

そか。ならいいけど。
…良い奴だな。俺の両親と同じで姿で差別しない良いやつだ。

時期にアンタも慣れんじゃねえ?(素っ気なく返すが尻尾は少し落ち着かない動きをする。尊敬とか言われ慣れてないこそばゆさからた。)
そんな大切な名を、初めて会ったばかりの私にも…
…ありがとうございます(頭を深々と下げつつ)

……であれば、私も、村のためにもちゃんと生きていなければなりませんね
(両手を握りしめつつも)

…意外と出会う方が多いですね。しかも、中には知ったことのある名前が
街角は案外、広くて狭いのかもしれません

(平然とした顔で聞いているように見えるが、実は唇を強く締めていて、瞳も潤んでる)
(余計な世話だって一蹴してくれていいぞ、と言う言葉に対して、口を開く)
…滅相もございません。故郷に帰りたい、という気持ちは、確かにありますから
けど、今は世界が滅びる運命を阻止しなければ、ですね
それまで彼女が生きていることを祈るばかりです

ふふ、ソフィーは、普通の猫…ああ、いや、あの子は吸血鬼とおっしゃいましたが…
…ハイエナと雪豹のクランとなると、本当に動物のクランだと思ってしまいますね
ええ、群れますよ。家族もいますけど、一つ一つの家族をまとめて群れにしてしまうというのもあります…無論、流れのままに作られたものなので、群れの顔触れはあまり覚えていませんけどね(と、やや自嘲気味に)
へえ、追い込み方も動物によって違うのですか?

おや、聞こえてしまいましたか(といたずらっぽく笑い)
けど犬や獅子辺りは流石に大きく違うというのは、この牛の頭でも分かりますよ
そうですね…今住んでいる小屋がありますので、そこで毛繕いしてもらっても?

ええ、本当に…人間の姿になる以前に、兄弟や子ども当然のように接してくれましたからね
だから私は、人を得た…(愛おしそうに自分の手のひらを見つめながら)

そうですか?(尻尾を指先でちょんちょん触ろうとする)
……色々ケリが付いたし、あと、…俺が仲良くしたいって思ったからなだけだ(何処か素直じゃない物言いで目を逸らすが尻尾をゆらりと、「どういたしまして」の意味合いで揺らした)

だから生きろっつってるだろ。つか、ホント良かったな?さっきのタイミングで俺に喰われなくてよ。(わざとそんな風に返して両手を握りしめたのは見ないフリをした)

大規模召喚時のイレギュラーズ、大体あそこに立ち寄るからじゃねえ?まあ依頼で一緒になる奴の中にはあそこで見たことない顔も結構混ざるけどな。

……(一瞬チラッと顔を見てから直ぐに視線を外し)泣きたきゃ泣けば?辛いなら辛いって言えよ。てか、故郷に帰りたいって思うのの何処が悪いんだ。んなの突然全く知らない場所に独りで飛ばされたら当然だろ。偶に泣くのは男から恥ずかしいとか言う奴いるけどさ…気持ちに蓋して良いこと無いぞ(経験者故の、良い事は無かった。そんな物言いで背中を撫でようと手を伸ばした)
まあ、それはあるが自分も大事にしろよ。顔合わせたばかりの俺なんかでいいなら弱さ見せてもいいからさ。
その母親の話もすればいい。なんならアンタの記憶に残ってる姿、俺に視せて俺の記憶に刻んでもいいし。この世界に、アンタ以外に姿知ってる奴増えればなんとなく気持ち軽くなるんじゃねえ?

ああ、ソフィーは吸血鬼だよ。猫の行動が体に染み付いてるらしいが、アイツは血が飲むのが怖い、吸血鬼。訳あって自分にとっての食事もしない、感情も死んだから…俺がソフィーだったら耐えられない仕打ちだったよ。(さもソフィーの過去を目の前で見たような口調で)

へぇ、自然にか…そりゃ顔ぶれを覚えてないほど当たり前な事だったんじゃねえの?印象に薄いって、空気だからだろ。空気みたいに当たり前なモノ。
良いように考えちまえ。アンタが覚えてないのは当たり前な毎日だったからってさ。そりゃ相手にとってもアンタにとっても誇ることだろ
追い込み方は全然違う。ハイエナって持久力あるからしつこく追いかけて獲物の体力削って腹に牙立てて生きたまま喰うんだけどさ…雪豹は気配消して忍び寄ったり、木の上から狙い定めて首に牙立てて噛み殺してから喰うんだ。結構違……悪い、捕食される側の生き物に何語ってだよって話だな…気分害させてたらスマン

雪豹もライオンと同じ様にデカイし猫とは似ても似つかなくねえ…!?
お、良いぞ。偶に食える草とか土産に持って行きたいし教えろよ
奇跡みたいだな。言葉も通じない人間と人として接したいって願って叶うとか凄えじゃねえか。そいつの事、好きだったんだな…なら尚更死んだら駄目だろ。

……ッて、オイ、尻尾いきなり触んな。(尻尾に触れられると、その手をスッと避けてからペシンッと地面を叩いた)
あ、すまん。尻尾は触られてあんまり良い気がしないんだ。俺から絡めるのは愛情表現でするけど、それ以外で他から触りに来られるのはな…急にだとゾワッとするし……
そうですか…それにしても仲良くなると本当の名前を打ち明けるというのは、なんだか面白そうですね。私も偽名というものを考えてみようかな…

それどころか、親切に忠告までも…確かに運がよかったのかもしれません
…人の姿をしていても何れ畜生としての道を歩むことになるのですから、
いつでも食われても、別れても良い様にと覚悟していましたが…
死ぬな、生きろ、と強く言われる意味を、改めて感じさせてしまいますね(と、笑む)

たしかに召喚された後、あの庭園からぞろぞろと街角に向かってましたね
そこから流れのままギルドのローレットに…
今思えば、街角も私たち特異点の出発の地、ということになるのでしょうか
…そうですね。依頼でしか見かけない方も、いつかゆっくりとお話ししてみたいのですが…
普段どこでどう過ごされているのか、気になりますし

(背中にアルクの手が当てられ、背中にふわりと温もりを感じた瞬間、糸が切れたように目から大粒の涙があふれだす)
……私が『ただの牛』だったら、一匹減ったところで何も代わりはしなかったし、寂しい思い等しなかったでしょうね
けれども、『人としての私』の存在するのは、彼女の傍にいたかったから、それだけが私の世界だったはずで…でも、今は彼女がいない…いつになったら帰るのか…或いは途中で死ぬかもしれない…元から畜生だったから、人としても短い命で終わる、別れはすぐ来るのだと思っても…彼女の顔を思い出すたびに、姿を探して…怖い、嫌だと叫びたくなる…小さい頃、実の母を亡くしたのと、同じ…いや…それ以上に怖い…怖過ぎるんですよ…(拳と肩を震わせながら、継ぎ接ぎに言葉を紡いでいく)
…視せる、というと、絵を描いてみる、ということでしょうか?

……吸血鬼だけど、血を飲むのが怖い吸血鬼、ですか
感情が死ぬ、というのは一体どのような感覚なのでしょう…

空気みたいに当たり前なこと…ふふ、人だったら退屈な毎日でしょうね(自嘲気味にそう呟きつつ)
いいえ、こちらから聞いたものですのでお気になさらず。けれどもハイエナと雪豹はまるで、侍や忍者みたいですね

けれども、雪豹は獅子みたいに派手な毛並みではないのでしょう?
おお、それは…有難いことです。私からも何かお出しを……そういえば、アルクはお茶や和菓子はいける口ですか?
ええ、本当に…何故その願いが叶ったのかが未だに不思議に思いますね
もしも目の前に願いをかなえてくださった仏様が現れたら拝みたい…
……ええ。義母上や義姉上と呼んで慕うより、一人の娘として慕いたい程、好きでしたよ
真面な人間に生まれればと何度悔やんだことか…

おや…失礼いたしました(拒まれて、少し悲しそうな表情しつつ)
……では、私の手の平に、その尻尾を乗せる、というのは?
(と、すっと、自分の手の平を差し出し)
偽名はあんまいいモンでもねえぞ。親から貰ったモン隠して生きてくんだ…呼ばれ慣れてた名前を呼んで貰えないし。其れに最初は自分の事呼ばれてるって気が付けなかったりしたしな…

あのさ、仲良くなった奴を食卓に並べられる奴が大半って思うなよ?それでなくても喋るのや人の姿取れる奴を喰おうと思う奴は少ないんだ。…アンタ、自分の価値が普通の牛と同じって思わない方がいいと思う。…って言うとあんまりいい気はしねえか…アンタの牛としての価値が無いとか、そう言うの言いたいわけじゃ無くてだな…えっと、どう言った良いんだ…(自分の物言いに眉をしかめ)

まあ俺も仕事の待ち合わせしてた酒場から突然だったからな…ざんげに説明されて心中穏やかじゃない部分もあったし

…元々そうだったからってこの後その通りかどうかは判らねえと思うがな。(ゆっくりとあやす様に背中を撫で)どうなるかわからないってのは怖いよな…居ないの辛いよなぁ…でも、アンタが死んだら再会できる可能性も消えるからな。思い出した時は吐き出そうな。んで、また歩き出せ。(出来る限り優しい声色で相手に声を掛ける)
んや、俺のギフト利用すんの。アンタの記憶で見せたい部分を俺に視せれる。…普通なら人は過去の自分の記憶を言葉で伝えるだろ?俺のギフトは実質記憶の追体験が出来る。

…何度も、何回も死ぬような痛みを与えられて、再生したらもう一度…それを恨みつらみの言葉と共に1年間…そんなことが出来て、されたとしたら…アンタは気が狂わないで居られるか?
俺はそれをギフトで視た。…俺のギフトは、その時の記憶をそいつの目線になって視れるんだ。俺としての感覚を残しつつ、な…。記憶として痛みがあったのなら、全部痛みとして圧し掛かるが…相手を理解するのには最良の手だろ。

バリガには負の方面ではあんまりやるなって言われてるけど

人としてのアンタが牛だったころを退屈と思うんならそうなんじゃねえ?(首を傾げて「俺は元からこうだったから分からん」って顔をする)
ん。…侍と忍者か。確かにスタイルが違うってところ似てるかもしれんな(「侍と忍者」でめっちゃ通じたらしく、納得だって顔をする)

え、そこ!?そこなのか!?
あ、普通にいける。珈琲は苦手だけど茶なら苦すぎないのなら飲める。ちなみに牛乳が好物だ。…別にアンタが相手だからで言ってるわけじゃねえぞ…

なるほど、loveの方で愛してたのか…
えぇ…。……握るなよ?握ったら怒るからな?(と言いつつそろ…と相手の手の上に尻尾を乗せる)
成る程…でしたら、私は『牛王』のまま名乗りましょう。…なにより、牛王以上の名を考えるなんて、牛頭の私には出来ませんからね(冗談めいたたように言う)

(眉をしかめるアルクに対し、しばらく思案した後)
…元の世界に帰れば、何れ牛としての務めを果たさなければならない。そういうことであれば普通の牛と変わらない。
けれども、今の私は、食されるまま飼われるままの牛でも無い。『黒い杣人の牛王』という一人の男として存在していて…そうであると受け入れてくれる友達がこの世界にもいる…と、そう仰られるのですよね。
(と、真っ直ぐにアルクの瞳を見つめ、アルクの手の甲を触れようとする)

なるほど、お仕事の途中で…私は夜に義母との散歩していた途中で召喚されまして…最初はあの世へ飛んだのかと思いましたよ
…ちなみにアルクのお仕事というのは、どのようなもので?

(しばらくさすられる暖かさを感じながら、片腕で涙を拭う)
……本当、溜まってしまえば、自分が何者か分からなくなるほど、頭の中がごっじゃになってしまいますね。そうなるといつのまにかあの世へ行きそうだ。いけない、いけない。
……また、迷いそうになったら、こうして背をさすってくださいますか?(極めて小さく呟く)
なるほど、過去の思い出を見る力…面白そうですが、私の思い出は極めて曖昧なものですよ。それでもよろしければ、ですが。

…本当に感じたこともある『痛み』まで、感じられるのですか、それは。

…勿論、そんな当たり前でつまらないこその平穏だったところも好きでしたよ、牛としての私は。
ええ。そういうことで、参考になりますし、新鮮に感じますよ。別の動物の習慣とか狩り方とか…これは人で無ければ分からない楽しみですね。(足でパタパタとはためかせつつ)

ええ。そこです。大体毛並みと体型で判断してました。(えへん、と)
なら、今度とっておきのお茶を用意してお待ちしますね。今日疲労に効くと噂される良い薬草を見つけたので…(タスキ掛けをしている風呂敷に指をさしながら)
(牛乳が好き…)…ああ、だから先ほど私の下半身を見たり雄かと聞いたりしていたのですね。
らぶな方で愛していた…というと?
(らぶの意味があまり分からない)

こんな立派な尾を、ましてや友の尾を粗末に致しません。
(そう言いながら、手のひらに尻尾を乗せたのを確認した後、もう片方の手でゆっくりと、雲を触るような感覚で撫でる)
……ああ、これは、大きな腕で優しく抱かれてる感覚ですね……(気持ち良さそうにふわふわと)
寧ろ唐突に偽名使い始めたら周りが困惑するぞ。

…ちっと違うな。仲良くした奴には愛着が湧くモンなんだ。だから食用の牛ではなくて、牛王っていう個としてしか見れない。例え、アンタが喋るだけの牛だったとしてもな。…他はアンタの言ってるので合ってるよ。(手へと触れられるのはまあいいのだが、こうも真っ直ぐに見詰められるとギフトのやり取り以外ではどうしても目線を外してしまう。対人関係に慣れていない証拠だ)

傭兵。…それと、裏の仕事で暗殺者。まあ、人殺すの含め何でも屋みたいなモンだ。…まあ理由があって。…もう必要以上にそっちをやる気はねえけど。(表沙汰に言えるような職じゃないし、正直気に入ってる職でもないので裏の職業を語る時は声が小さくなり、眼が泳ぐ)


俺でいいなら。(牛王の話を聞き、小さな、小さな声を耳が拾うと短くだが落ち着くトーンの声色で返事を返した)

んー…思い出というかは記憶だな。鮮明に残ってるモノ程、その時の感情と共に共有できる。その時の、共有する側の記憶に残ってる事を視せてもらう側ががその記憶内で、そいつ視点で…だな。

やってみりゃ判り易いが…伝えてる方からしたら思い出してるにすぎねえからなぁ…思い出してる事をリンクしてる間共有する感じ。
ちな、互いにだから俺のを見せれば理解できるだろうし…視てみるか?流石に痛みは視せねえけどさ…多分アンタに負担がかかる


え、一人の娘としてって、一人の女としてだろ?恋人や伴侶として。…獣で言うなら番な。
ん…、……あの、さ…実言うと…尻尾は敏感で…そこ、その……性感帯だから…んな触れたかどうかわからねえ触り方も…結構…(悪気が無いのは判ってるし感想も嬉しいのだが、そういう理由で触られるのはちょっと、と。偶に触れた瞬間に尻尾がピクッと小さく跳ねたり)
困惑…まあ、名前をよく知ってる方が多いほど、困ってしまいますよね

……私の義母も、同じようなことをおっしゃいましたね。
どっちの私でも、変わらず愛してくれました。私も、雪豹のアルクも、人間のアルクも、本名を打ち明けた後のアルクも、変わらずに『アルク』を信じていました。
…そういうこと、なのでしょうか
もうしわけない、こういうことには中々鈍感なもので…

ふむ…やはり、忍者みたいな仕事をなさっていたのですね
…傭兵や暗殺とかそういう何でも屋は、夜でも出来るような仕事というのでしょうか?

……ありがとう(アルクの返事を聞くと、気が抜けたように自分の体をアルクの肘や肩に、預けるようにぽふりとくっつこうとする)

思い出と記憶は、違うのですか…?
つまるところ、アルクが一時だけ過去の私になるのですか…不思議な感覚ですね

…お願い、できますか?アルク。(訴えるようにじっと、見る)

ああ、そういうことですか。やはり外来語には疎いですね…
…やはり、可笑しいですか?人間の男が女を愛するように、普通の牛が人間を愛しているなどと

ああ、なるほど…けれども握ってしまうのもつらいのでしょう?
(アルクの反応を見てくすくすと笑いながら)
ちょ、兎に角、尻尾触んのは終い…!話にも集中出来ねえし、妙な気分になるから…!(尻尾が牛王の掌から逃げるように動き)

…ったく…人の敏感な所は友人でも気安く触れないからな…恋人でもそう言う事する時に触れるんだから、その辺理解しとかないとこの世界でも、戻っても困るからな?(預けられている牛王の体をポフポフと尻尾で叩きながら)

…で、なんとなくだが…サムライ?てのが傭兵や騎士みたいなので、ニンジャが暗殺者と似てるんじゃねえの。何となくそれが似てるって思えるし。……文化が違うのに似てる事なら何となく通じるの、ホントバベル様々だな

なぁ、牛王はその女の事が好きなんだろ?牛の姿から人間の姿になりたくなるくらいに。…普通の牛には無理なことをアンタはできるんだ。俺はそれ自体凄いことだと思うし、愛については俺は可笑しいなんて否定する気は無い。愛してるならその想いを伝えて、それからどうなるかだろ。…当たって砕けろって言葉あるけど、それも『やってみなけりゃわからない』だからな。
ギフト使う前に、説明先にさせて貰うな。
アンタが、俺の記憶を視たいって思いながら俺と目を合わせてればいい。俺は見せるって思いつつ、目を合わせる。ちなみに、伝える量に比例して時間も要する。本当に映像を観てるようなモンだ。

あ、あと人の目線になるから気持ち悪くなるやつも居るから、辛くなったら視るのやめとけよ。互いの何方かが拒否ればリンクは切れるから。
俺のギフトは一方通行な事はできないんだ。

……準備、出来たら言えよ。
ああ、つい夢中で…気持ちよかったです。ありがとうございます

そうですね。バベル様様です…そして、人の可能性というものは偉大です
(満足げにそううなずく)

(ふ、と笑いながら)…すでに愛していると、伝えましたよ。
そしてそれが、月夜の晩にだけ出会えるといった風に実った形で。
……無理なことができるのなら、いつか、夜に限らず、お陽様の元でも出会えるように
(と天を仰ぎながら、祈るようにそうつぶやく)
(ギフトの説明を聞き、準備できたら言え、という言葉に強くうなずき)
……ようござんす
(と、じっとアルクの双方異なる瞳をまっすぐに見つめる)
(準備OKの言葉に一度目を閉じて、相手の目と自分の目を合わせると、牛王の視界が急転するだろう。

―――牛王の視界は、高い木の上。アルクの狩りのときの思考が流れ込んで来る。

ジッと息を潜め、グッと身体をしならせた後に、地上へと急降下する感覚。次の瞬間、肉へと噛み付く感触が。そして、口内に血の味が広がる。

感情は、興奮と静けさ、それと獲物を仕留めた歓び。喰らい付く口元がニィ…と上へと上がった。

……そして、命への感謝の意がある事――その辺りで視界は元の、アルクの顔が近くにあるものへと。)
……辛くない記憶以外どれ見せるか悩んだ末、狩りの見せちまったけど…その、ごめん…
(アルクと目が合ってしばらくして、いつの間にか流れ込んできた視界。
獲物をしとめる時も、喰らう時も悲鳴を上げず、黙ってその光景を視る)

(しばらくして、大きなため息をつく)

…いいえ、大丈夫ですよ。
それに、気をつかわなくってもよかったのに
(と微笑み返す。顔は少し青ざめているが)
あ…ご、ごめん…ホント、ごめん…辛い記憶見せるよりは、俺の嬉しかった事見せたほうが良いかって…配慮不足過ぎた…(どうしよう…とものすごく焦って両手がオロオロ彷徨い)
大丈夫ですってば。アルクの嬉しいがアレとは…とても素直です。
(そこまで気にするのか、可愛いな、と手の甲で口を押さえながら笑う)
(アルクの姿を見て和んだのか、いつのまにか顔色が戻っている)
いや、だってさ…獲物採るのも失敗したりするし、食える喜びってのが…正直すごくあって…って、ホントよりによって何でアンタにこんなことを…!ちょ、一発殴ってくれ…!これ、アンタは怒って良いと思う…!!(罪悪感が凄いらしく、必死)

尻尾握るくらいされても我慢するから…!なんか、こう、凄え悪い気が…!
……こらっ
(手のひらで、アルクの額を軽く手刀打ちをしようとする)
フギャッ(唐突に手刀を喰らってそんな声が出る)

…???
…うん、人の姿はやはり良いですね。
これで傷つけたりしませんし。

…今度怒るときはこうしよう
(と、満足気にそう言いながら、自分の手をにぎにぎ)
……おう。なんだ、今のがか…(尻尾が落ち着かなげにピッコピッコ動き)

あ、牛王、今度事務所にも来て見ねえ?俺の好きな奴ら紹介するからさ。俺の家…住処は危険だから…特にアンタは。
あ、その前に記憶…!(話の本筋から外れてるじゃねえか!と)
事務所…というと?(首かしげ)

…ああ、そうでしたね。私の記憶、みてみますか?
俺の今の仕事場。何でも屋みたいなところでな…。俺の部屋もあるから、そこならゆっくり出来るかなと…

ん。(小さく返し、準備はできてるぞと)
それは、楽しみです。是非お願いします

…では。
(アルクの目をじっと見つめる)
(自分が覚えている限りの記憶を。ひょっとしたら、自分が覚えていないだけで身体が覚えている記憶もあるかもしれないと、そんな不安を思いつつも)
(最初にアルクの脳裏に飛びこんで来たのは、モノクロ)
(空が灰色で、草原の草が黒く枯れていると思ったら、艶があってキラキラと光っている)
(灰色の草原の上では黒色の牛があっちこっちにいる。だが、牛王ほどのはっきりとした黒ではない…のだから、家族、というほどでもないだろう)
(そして、向こうから、人の姿がやってくる。牛王とお揃いのような黒色の長髪と瞳。着物を纏った白肌の少女は笑顔で「ぎゅうおー」と手を振りながら呼ぶ)
(「ぎゅうおー」と呼ばれてることに気づいて)

『おかー』

(と、脳裏に響く嬉しそうな稚児の声と共に、その少女を目掛けて灰色の草原を駆け抜ける)
…(「牛の目線って奴か…。」)(牛王の記憶の中で名前を呼ばれた後に応えようとしている牛王にほんわかとした気持ちになり、現実の自分の口元が自然に緩んだ)
(その後の記憶は転々としている)
(いつのまにか、人間の言の葉を多く覚えているが。牛王にとってはそれが普通だと思っていた)
(義母である娘が話しかけてくる言葉を、見せる行動を牛頭なりに理解し、覚えていった)
(時々村人達の笑って指差し、「うしむすめ」とか「そのうしはいいねがつく」などなど口にして、義母の顔が悲しそうになることもある…そんなときは村人達に向けて頭突きしたり、義母の身体を顔で摩って笑わせようとした。そうするたびに、義娘から「ありがとう」とか「お前は賢いな」と笑って撫でてくれたりもした)
(それだけの繰り返しで十分だったはずだけども)

『わたし、にんげんじゃない』
『おかーのこと、わかる。なんで、おかー、わたしのことわからない』
『みんなわらいあったりする。でも、わたし、わらえない』
『…おかーのこどもなのに、なんで?』

(そんな疑問がふつふつと現れる。そして果てのない自問自答が続く)
(そんな自問自答しているうちに真っ黒な世界がやってくる…最近はそんな毎日ばかりだ)
(だが、今日はなにかが違うと牛王は直感で感じ取った)
(どこかの小屋の中、白い光を纏った人間が錫杖を片手にやってきて、こんなことを言ってきた)

「貴方は牛です。そしてあの娘…杣は人間。明らかに違います」
『じゃあ、にんげんになりたい』
「そう簡単な話ではありません。貴方は生まれた時から…いえ、生まれる前から畜生道を歩む定めを持っています。この世で迂闊に人道を歩めば妖怪か外道になってしまいますよ」

「……けれども、そうですね。貴方のお気持ちが確固たるものであれば…お月様なら、答えてくださるかもしれませんね」
(自分の感覚はあるが牛王の過去にリンクしてるせいか胸が苦しくなって来て、ぎゅ、と上着の裾を掴み)
(そして、また別の記憶。今度も真っ暗な世界…というわけでもなく満月の光のおかげで例の義母…杣の姿がぼんやりと見える)

「もう夜か…あっという間だなあ。そろそろ帰らないと…と、その前に、ちょっと海のとこ行くか!」
『うみ!』

(そんなやり取りをしながら峠を登る。峠から見て海…というより、形からして湖だが。杣達の住む村にとっては象徴らしく、時々湖の景色を見るために散歩しているらしい)
(黒い湖の水面が月明かりのおかげで光沢を増している)

「うん、絶景!まともに満月を見たの久々だわー」

(杣は明るくそう言う。しかしすぐに大きなため息をつく)

「……どうしよう。許嫁のこと。一度断ったものの、うちのおかあとおとうは、牛王を売った後の金で嫁がせる気満々だからなあ」

「けど、あいつはあまり好きになれないんだよねえ…自分は長者だと偉そうに言って、次々と金を奪っていくからさあ。挙句にこの海も独り占めに…なんて、いやだよねえ、牛王」
『そだね』

(愚痴をこぼしながら杣は牛王の背を撫でる)

「…まあ、言っても分からないか。けど、あんなやつと結婚するぐらいなら、お前と一緒の方がいいよ」

『…いっしょに…けっこん…』
!(袖を掴んでることに気づいて)

あ…アルク、大丈夫ですか? いけない過去でも見せてしまいました…?
え?…ああ、いや…(リンクが切れて急に視界が戻ったことに目をぱちくりとさせ)

アンタのその時の感情が、…切なくて。大丈夫、悪いもんじゃねえから(続き、見せてくれと)
そ、そうですか…
(後で薬草を用意しようと思いつつ、続きを見せるように念じてみる)

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