PandoraPartyProject

ギルドスレッド

Wiegenlied

【!】Lieblich.2

【いのりぼし、かがりぼし】

まほうの夜に、娘はいのりました

『ヒトをこわがらせないすがたになれますように』

けれど、娘は知ってしまいました
如何あっても、自らの根本は”忌まわしいもの”なのだと


『何だ何だ、しけたツラしやがって。
 は?”星屑売り”には会えたが、男だった?
 おまけに訳のわからん鳥野郎だった?

 ……。

 い、いや俺ぁ嘘を教えた訳じゃ無いぜ!
 おかしいな、何処でそうなっちまったんだ?』


◆ ◆ ◆ ◆ ◆

リアルタイム形式RP。
外部からのお客さまもOK、どなたさまもお気軽にどうぞ。
FairyTail Of Phantomでの一幕。どうか、良い夜になりますように。

【開催日時】
《第一幕 10月31日》20:00~25:00頃
《第二幕 11月1日》18:00~24:00頃
《第三幕 11月2日》21:30~25:00頃

【あそびかた】
上記の舞台でおばけになりきること
眠たくなったら無理せずにおうちでねむること

はいるときは”その場に訪れた体のRP”を
かえるときは”その場を立ち去る体のRP”を

おしまいの時間が近付いたら、
区切りの良いところでわたしがおはなしを締め括る

【◎】
”FairyTail Of Phantom”を楽しむRP
おかしをあげたりもらったり
あまいものが苦手なひとはこっそりおしえて

【×】
メタ発言、顔文字、自分突っ込み(『〜(』『〜(←』等)
末尾の宛名書き『>◯◯』
過度の確定ロール、双方の合意が無い既知ロール
ロールで提示された情報以外のことを”キャラクター”が知っていること
セクハラ、流血沙汰の暴力、泥酔(おさけはほどほどに)
度を越した悪戯をするともれなく魔法が解けて衛兵さん(NPC)に摘み出される

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……せんせい、ちいさくなっちゃった。

(ぴかぴかとひかる金色の目を目印に、視線で追いかけ乍ら)
(星をさがしに。そう無邪気に語り掛ける少年おばけの声に、抱きしめていたままだった籠の事を思い出し)

ねがいぼし。
……せんせいは、なにいろがすき?
アッ。そこにいらっしゃるメディコのおばけサンは、あなたでしたか。
そう、ソウ。せんせいおばけ、デス。遅くなって、ゴメンネ。
お恥ずかしながら、おばけになるのにちょっぴり手間取って、やっとこちょうどいいおばけになれたんだ。

(うなずくように上下にふわりとゆれると、手招きをしてくれたお人形の彼女のほうへ、ゆらふわと近寄って)
(イイノ!と、嬉しげなひそひそ声で。星のクッキーを手渡しながら、星の杖のチョコレートをいただいた)
すばらしいお菓子。ありがとうございます、おばけサン!
はい、ここに。
(昨夜と打って変わって、真っ黒な一羽となっている影を見詰め)
…やはり、あの時鳴らしたのは
(初めて会った、あの時も”呼ぶ音”を聞いた。そんなことをふと思い出して)

(くるんとターンするように、人造人間ではなくなっている冒険者へと向き直り)
お菓子を持っていない、それは危険です。
(そう言うと男の頭部へと腕を伸ばそうとした)
ソウ、そう。小さくなっちゃった。ホントは見上げるくらい大きくなりたかったのだけど、難しいねえ。
デモ、これはコレで。身軽で楽しいんデスヨ。なにせ、おばけは、身軽がウリですもの。
(言って、くるんと中空で宙返りをする小さなおばけ。布からちょこんとはみ出た手足はちっちゃなぬいぐるみのように見える)
(金色の目が、ニッコリと笑ったように光って)
おほしさまだ。色?えっとね、青がすきです!
(緊張の糸が切れ力の抜けた状態の男には反応することが出来なかった)
(ニコの腕はいとも容易く男の頭部に届くだろう)


(あの時。そう、其れは初めて出会った時の事を指しているのだろう)
(けれど、彼女の”贈り物”の詳細を知らぬ影は、女中の呟きに小さく首を傾ぎ)

……えと、あの、……お、おかしか、いたずらか。

(昨日は途中ではぐれてしまって、きちんと告げる事が出来なかったから)
(キャンディ・ケインを差し出し乍ら。おばけの作法に従って、恐る恐る問うて)
うん。……夜鷹。

(ふよん。ふよん。宙を一定のリズムで泳ぐ姿は、海を自由に漂うくらげを彷彿とさせた)
(名乗り上げることを躊躇う不自然な間を置いて。――けれど、)

せんせい。”トリックオアトリート”。

(おばけのあいさつ。彼の教えを忘れてはいないことを、音にする事で伝え)
(あおいろが好きだと告げる声に、ごそごそと籠の中を漁り)

……これ、わたしの、トリート。

(海を切り抜いた群青色。ぴかぴかときらめくほしのかけらを、宙に浮かぶ少年へ差し出して)
(表情一つ変えず、ギリアスの頭へと伸びた指はそのまま)

姿も変えず、お菓子も持たず…
そんな危険な行為は見過ごすわけに参りません。
しかし、これでもう大丈夫です。

(己のどこかしらに着いていたであろう、幅の狭いクリーム色のリボンを彼の短い髪に括り付けた)
(満足気に頷いている)


(ひそひそおばけに手渡されたクッキーを見詰めている)
(嫌な様子ではないようだ)
いいえ、こちらこそ。
共に闇に紛れる者同士ですもの。
(呆気にとられたあと、自分の状態について認識する)

な、何しやがる!?
今はそれどころじゃ…。
おい!夜鷹、まだ話は…!

(人形越しに尚も黒い鳥に吠える野良犬)
(もそもそと、布越しの様に聞こえる声に耳を傾けて)
そうでしたね、ありがとうございます。
(そっと受け取ると手の中のキャンディを見詰め、嘴のある顔へ向き直る)


わたくしからも。
お菓子と悪戯、どちらが宜しいでしょうか。
(吠え掛かる男の声に、嘴の先が僅かに揺れた)

きのう、あなたがみたものは。
わたしの、泡沫のゆめ。
あぶくははじけて、消えてしまったから。

(どうか忘れてくれと添えて)
(仮面の中で、くしゃりと顔を歪ませ乍ら)
(仮面を被っていてよかった)
(自分がどんな顔をしていようと、誰にも気取られる事がないから)

えっ。

(おかしか、いたずらか)
(お菓子もほしい。けれど、生真面目な女中の”いたずら”が如何なものなのか。其れもまた、気になった)

……と、
とりっくあんど、とりーと。

(物は試しと。両方を強請って見せた)
そうですか、ソウデスカ。夜鷹サン。よいおばけに化けられましたネエ。カッコイイですし、なによりひとめでおばけと分かりますもの。

(ゆらり、ふわり、と、動きつつ。聞こえた魔法の呪文に、ハッ!と。すう、と息を吸い込み、嬉しげに大きな声で呪文を返した)
ハイ!トリックオアトリート、デスー!
ヒャア。キレイ。海とか、お空のうえとか、こんな色なんでしょうか。

(お菓子の星を交換こに手渡して、群青色の星、金ピカの目をウットリ細めて眺めている)
(格好いいと黒鉄の少年に褒められれば、悪い気はしなかった)
(何せ、今。自分は、何者でもない”夜鷹”なのだから)

ねがいぼし。かなえぼし。
おねがいごとや、かなえたいもの。
もしもみんなにあるのなら、ほしのかけらに託してみて。
そうしたら、ほしのひかりが、そらに祈りをとどけてくれるから。

(籠を掲げて影は語る。祈りを込めた、”ほしのかけら”の在り方を)

必ず叶う訳では無いし、ひとときの気休めにしかならないかもしれないけれど、……みんなが、すこしだけ。うれしいきもちになってくれたら、いいなって。
(お人形おばけさんの様子に、フフフ、と、嬉しげに、ゆれて)
やみにいきる、ものどうし。フフフ、それはすてきなお仲間ですね。
どうもありがとうございます。魔法、とけちゃうのは寂しいから、大切にいただきますネ!
何を…急いていらっしゃるのですか。
(金の瞳は冒険者を射抜くように上げられる)
おまつりは続いております、たった数日、己で無くなることもありましょう。

在り方を考えるのは、きっと時間が掛かるもの。
急いては事をも、仕損じましょう。
それに…

お似合い、ですよ。
(そう言った口角は、少し上がって見えたかもしれない)
さ、もう一つ身を守るものをあげましょうか。
(そう言ってバスケットの中へ手を伸ばす。取り出したのはネコちゃんの形をしたチョコレート)
ニコ、俺はどうすりゃいいんだ…。
俺はやりたいようにやってるが、それじゃダメなのか…?
わからねぇ。

(その姿は最早野良犬ではなく負け犬のようで)
(結びつけられたリボンが滑稽に揺れていた)
(更にその手にはネコちゃんチョコレート)
(見ようによっては仮装に見えなくもない…かもしれない)
(返ってきた答えは――)
…アンド。

(少々想定外の回答、数度瞬きをした)
貴方様は、意外とワガママでいらっしゃる。
(そう言いながらバスケットを探ると一つ取り出して)
(チョコレートの花、棒部分が茎の様に見える)

悪戯…失礼致します。

(ぱっと腕を広げ)
(ほしのかけらのありかたを、たいせつなおはなしを聞くように耳を傾けながら。)

それは、それは、それは。なんて素晴らしいお星さまなのでしょう。ありがとう、夜鷹サン。ねがいごと、かなえたいこと、お願い、してみますネ!

(どうやらそのことばに感じ入るところがあるようす。しばらくじっとひたいに星をそえてから、布の中にたいせつにたいせつに仕舞いこんだ)

嬉しいきもち。それはまさに、今このときの気持デスネ。
あ、あんど。

(怒られるだろうか。そろそろと鳥面が女中を仰いで)
(けれど、返ってきたのは甘い甘い、蕩ける花。其れから――)



(腕を広げる所作。其れが何であるか判らずに、咄嗟に頭を守るように手で庇い)
……ニンゲンはわたしのことを怖がるけれど。
わたしは、……ニンゲンが、わらっているすがたを見るのが、すき。

(其れを、羨み妬むことが、何度もあった。けれど、そう)
(誰かをしあわせにすること。其れが影が”おばけのまほう”に願った、もうひとつの願い事だった)

せんせいが、おまつりのことをおしえてくれたから。
わたしにできること。いっぱい、いっぱい考えた。
それで、……つきのひかりの下で踊る精霊たちに、おねがいしたの。
ほしのかけらを、わけてくださいって。
わかっているじゃあありませんか。
(どこかしょんぼりとした様子の冒険者はしおらしくなってしまった)
良いのではありませんか、それで。
…しかし、それにはフェアであることが必要なのかもしれません。

さあ、顔をお上げ下さい。
自身を持つのです、可愛らしいですよ。
(顔だけは真面目だ)
(広げた腕で真っ黒くろの鳥を抱きしめた)
……だいじょうぶですよ。
だいじょうぶ。

(呪文のように呟いて、そっと離れた)


…びっくり、したでしょう?
(悪戯のつもりらしい)
こわがられる。あなたが?
ボクもダヨ。ビックリされることがおおいデス。鉄だからかな。
でも、笑っているのは、嬉しいことです。
それをお祈りしてくれるのは、優しいおばけサンだからこそ、できること。あなたの祈りは、なんて、素晴らしいのでショウ!

(いいおばけですネエ、と、しばらくメディコおばけさんの周りをふわりゆらりとただよっていたものの)
(ふいに、ふわ!!!と、大きなあくびをした)
(おばけであってもこどものようで、そろそろねむさがぎりぎりらしい)
(限界がくる前に、と、ぴたりと中空で停止した)
おばけの夜は、まだまだこれからデスガ。
ボクの時間はココマデみたい。みなさん、夜にあえて、嬉しかったんだ。
どうもありがとうだけど、ここで、おやすみなさいを、しよ…う…と…思い、ます。

(幾度かふにゃりとねむさにゆれて、地面に落っこちそうになりながら、やっとこ感謝と挨拶を告げた)
ニコ…。
全然嬉しくねぇ。

(困り顔からこちらも真面目な顔になり)

だが、ありがとよ。

(自分に気を遣ってくれたのだろう、メイドらしい気遣いに感謝を述べる)

なんか悪かったな。
俺も一杯一杯でよ。
お詫びに今度一杯奢るぜ。

(宙に浮く布切れに目を向けながら)
せんせいは、格好いいのに?

(びっくりされる事が多い、とは)
(鉄騎種たる彼の故郷は、個性豊かな者が揃っていると聞いた事があるが)
(はぐるまだらけの普段の佇まいを思い起こして――やっぱり、恐ろしいとは思わなかった)

……そうかな。
そう、なのかな。

(自分の祈りは、誰かに届いているだろうかと。ずっとずっと不安だった)
(けれど。こうしてことのはで肯定してもらえること)
(不安と怯えばかりを露わにしていた影の胸に満ちるのは、確かな歓喜と呼べるものだった)

ありが……せんせい、だいじょうぶ?

(大きな大きなあくびに、小首を傾げて。お菓子を頬張ったまま眠ってしまわないかと心配そうに)
ありがとう、せんせい。
……すてきなゆめを、見る事ができますように。

(ふよふよと漂い宵闇に溶けていくその姿へ、手を振る事で見送って)


(声にならない声が、息を飲む音が、女中の耳には届いただろうか)
(刃のからだが影を傷つける事なく。自分よりもすこし冷たい熱を伝えてくる)

(だいじょうぶ)

(呪文のように頭の中で繰り返し続けていた言葉を与えられた事をすぐに理解出来なかったけれど)
(ふるさとで、終ぞ与えられる事の無かったもの)
(他者の温もり。其れは、ほんの刹那だった。其れでも、)

……ぁ、

(言葉が、出なかった)
(仮面の下。黒いちいさな体が、震えていた)
おや…恥ずかしがりやですね。

一杯、一杯ですむでしょうか。
(手をひらりと振って、気にするなと言うように)


小さなおばけさん、おやすみなさい。
道中お気をつけて…特にお足元に。
(漂うような布のおばけに小さく手を振った)
…悪戯が過ぎましたでしょうか?
(反応が無い、というか固まってしまった黒い鳥の表情を覗き込むように様子を伺う)
一概に悪戯と言ってもなかなか、難しいものですね。
(ううんと首を捻りながら)
……ニコは、……へいき、なの?

(自身に触れても)
(だいじょうぶ。ほんとうに?)
(不気味な闇纏いが、恐ろしく無いのかと)
(震える声で以って、問うた)
(呪われたりはしていないか。痛みを与えたりはしていないかと)
あ!
しまった…明日依頼を受けてたんだ!
このまま引き下がるのは癪だが時間がねぇ…。
この決着はいずれつけるぜ、夜鷹!
俺は諦めが悪いからな!
ニコ、その時にはあんたにも加勢して貰うぜ。
それじゃあばよ!

(慌ただしく踵を返す)
おやすみなさい、リボンの子。
(チョコレートネコちゃんを持って走り去るギリアスを見送って)
(決着をつける。何をどうすると云うのだ、これ以上の責め苦は御免だと)
(言葉にはしなかったが、影は分かりやすく顔の下で顔を顰めていた)
(仮面をしていてよかった。お陰で、傷面の男に気取られる事は無いだろう)

わたしは、……

(最後まで言わせて貰えなかった)
(駆け足で雑踏に消えていく男の背を見送ると、影は小さく息を吐き出した)
…?どういう意味合いでしょうか。

(もう一度小さく首を捻る)

だって…貴方様は、貴方様でしょう。
わたくしの知る限りは、こうしても大丈夫と踏んでおります。

(寧ろ、と続ける)

夜鷹様こそ、宜しかったのでしょうか。
わたくしはどこまでも、生き物ならざる者で、さっきだって引き裂かれたかもしれませんのに。
(金色がちろりと闇に揺れる)
(おやすみと、告げてくださるみなさまのことばに、ありがとうを告げるように白い影は中空でまるを描き、ふわっとするっと消え去った)
(おばけのよるに、ありがとうございました)
ニコは、わたしを傷つけない。
……わたしを、助けてくれた。はじめて会った時も、……さっきも。

(あの時。確かに自分は、”逃れる術が欲しい”と願った)
(其の瞬間に現れたのが、彼女だった)
(他者から差し伸べられた救いの手。其れは、影にとって得難いひかりだったのだ)
わたしは、わたし……。

(とは、何だろう)
(虐げられるだけの人生だった。そう在る事が世界の決まりで――其の輪廻から逃れたくて、こうして闇を纏って、自らを隠した)
(ヒトとして生まれればよかった。男に生まれればよかった。でも、)

……きのうのわたしは、……こわいおばけに、なれていた?

(自分がもしも。もしも、”ふつうのおんなのこ”だったなら。世界は、どう見えていたのだろうと)
(影は、みっつの月に願ったのだ。ひとときだけの、泡沫のゆめを)
それは…それは、夜鷹様がわたくしをお呼びになられたからです。
(わたくしはそれに従ったまで、言ってお人形は鳥の隣へ並ぶ)

こわいおばけ、どうでございましょう。
ご期待に添えていなければ申し訳ございませんが…
(星売りの愛らしい姿を思い浮かべる)
(そっと昨日貰った星の仔を取り出して)

わたくしには、愛らしいお嬢さんに見えておりましたよ。

(そう言うと手を差し伸べた)
さあ、いくらおばけとは言え、夜の寒さは沁み入りましょう。
家路をお供しますから、歩きながらに致しましょうね。
(傍に並んだお人形。何時もよりも、其の表情は柔らかいように見えた)
(影にはそう見えただけで、端から見れば其の鋭さに違いは無いのかもしれないけれど)

……。

(差し伸べられたてのひら。齎される肯定に、すん、と小さく鼻を鳴らして)
(恐る恐るてのひら同士を重ねれば、不思議と胸の内が凪いでいった)

ニコ、……わたし、……わたしは、ね。
……着てみたいふくが、あって。
その、……ふるさとで。女のひとが、おめかしするときに着るふくがあって、それで、……。
わたしは、一度も着せてもらえたことがなかった、から。

(だから。昨日はじめて袖を通す事が出来たあの衣装が、ほんとうに嬉しいものだったのだと)
(宿へと向かい歩き出す女中に着いて歩きながら、ぽつりぽつりと零して)
(重なった掌をそっと包むように握れば、微かな暖かさが感じられた。普段気にしたこともなかったが、己の手は冷たくないか少し心配になった)

(ぽつり、ぽつりとこぼれ落ちる言の葉はまるで帰路を照らす街灯の様だ)

そうでしたか、それはようございました。
ご自分でどうお思いかは図りかねますが、わたくしはよく似合っておいでだと思いました。
今日もお召しになっていると思っていたのですけれど…

(自分が人混みに紛れてから、何事か起こったことは明白だった)
(しかし、お人形はそれを尋ねない)

明日は、あの星売りのお嬢さんに会えるでしょうか。
(影はヒトよりも少し体温が高い。氷のような瞳をしている癖にと、罵られたのは何時の日のことだったか)
(手袋越しでも、女中のてのひらに其の熱を分け与えた事だろう)
(とぼとぼと歩く姿は酷く頼りなげではあったけれど。其れでも立ち止まる事無く、女中の一歩後に続き)

わたしが、女だったから。
……がっかり、させちゃって。

(正確にはそうではない。貫いていた秘密を、彼は影に裏切られたように感じてしまったのだろう)
(けれど、ヒトの負の感情にばかり過敏な影には男の意図が伝わる事が無く。名を知られたことが。ありのままを晒してしまった事が。其れを否定された事だけが悲しくて、恐ろしくて――こうして、殻に閉じこもってしまったのだ)

でも、でも……まほうが、とけちゃった。

(明日も会えるかと問われれば。影は顔を上げて、繋いだてのひらに少しだけ力を込めて)
(”魔法”と云う名目が無ければ、あれを纏えないと。震える声で、影は嘆いた)
(成る程、と頷いた)
(冒険者が吼えていた理由が何となく浮かび上がり、小さく息をつく)

きっと、それであのように突進なさったのではないと思いますよ。
とは言え、ギリアス様もあまり器用な方ではないようですから…

(魔法が解けた、そんな黒い鳥の言葉に歩みを止めた)
そうでしたか、ならば願ってみることに致しましょう。
(そう言うと立ち止まり、さげていた星の仔を優しく掌に乗せて)

おほしさま、願い星さま。
わたくしの願いをお聞き下さい、どうか叶えて下さいまし。
次の夜、あの星売りのお嬢さんに会わせて下さいな。
伝えたいことが、あるのです。

(瞳を閉じて唱えるように呟くと、鳥の手を取り、星の仔に重ねさせた)
……そう、なのかな。

(彼の存在は、未だ影にとって謎めいたものだった)
(何故、自分の事を執拗に知りたがるのかも。問い詰めては一人、自問自答しているような様子も)
(曖昧に頷き乍ら。震えはもう、止まっていた)



(ねがいぼし。祈りを託した、ひかりのかけら)
(女中が謡う。願いを奏でる)
(ぴか、と一際大きく星屑がひかりを放ったかと思えば――其の儘、ひかりだけがすうっと空へと昇って行った)

に、ニコ、

(ねがいごと。ひとつきりのねがいごとを、そんなことに?)
(ひかりを失った薄氷色のほしのかけらは、空の色を透かして微かにきらめいていた)
(重ねた手の中の星屑から差した光。思わずその行き先を見上げて)
…きれい。

(残った星の仔をそっと指で摘むと、その煌めき越しに黒い鳥を見た)

わたくしは思っていた以上に、星の色をした貴方様の瞳が気に入りのようです。
そのお姿も悪くはありませんが、あの色がよく見えるお姿の方が好ましく思うのです。

(わたくしの方こそワガママですねと呟いた)

さあ、立ち止まっていては帰り着けませんね。
先へ参りましょう。
(再び優しく手を取ると、帰路を進み始める)
(明日はきっと、会えるであろう星売りの姿を思い出しながら)
(光の精霊に託したねがいは、一度きりの魔法のかけら)
(呆然とした侭。視線を女中――否、愛らしいお人形に戻せば、其の黄玉と、仮面越しに目が合った)

わたし、は、
(氷のようだと、ヒトは謗る。其れを綺麗だと褒めてくれるひとは、彼女と、砂狼だけだった)
(どくどくと、不安と歓喜の入り混じった感情が鼓動を早める。気取られはしないかと目を泳がせ乍ら)

……”星屑売り”は……ニンゲンが、すきなの。
だれかの笑顔がみたくて、だれかのしあわせのお手伝いがしたくて、……ほしのかけらを、くばるの。

(宿のあかりが視界に留まる。”おとこ”である自分と彼女の部屋は分かれているから、てのひらが離れるのはもう、直ぐのことだ)

だから、よろこんでくれるひとが、いるなら。
ニコのおねがい、……かなう、かも。

(離れたてのひら。熱を分け与えた感触だけが残る。勿論、自分には傷一つない)

あの、……だいじょうぶって、いってくれて。
うれし、かった。

(ありがとうと、小さく添えて。影は深く深く頭を下げた)
(影は宿の自分に割り当てられた部屋に戻ってからも、暫く呆然とそらへと昇っていくひかりを、間近できらめいていたふたつの月を思い返していた)
(”星屑売り”の衣装を胸に抱きしめ乍ら。そっと。彼女と同じ月色をしたほしのかけらを拾い上げて――そっと、くちびるを寄せて囁いた)

……ねがいぼし、かなえぼし。
どうか、どうか。……わたしに、勇気を。

(ひかりは空へ。ねがいを空へ)
(窓の外へと旅立つひかりの軌跡を、影はいつまでも見詰め続けていた)

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