PandoraPartyProject

ギルドスレッド

Wiegenlied

【!】Lieblich.1

【ねがいぼし、かなえぼし】

此れはみっつの月だけが知っている、ふしぎですてきなものがたり
怖がらずにそうっと頁をめくってみて

魔法の夜が幕を開けたら――おとなも子どもも、みんなみんな”おばけ”のとりこ!


『おい、あんた。そう、其処のあんただ。
 此処だけの話だが……あんた、”星屑売りの少女”を知ってるかい。
 なんでも願いごとをひとつだけ、星に託して空に届けてくれるんだそうだ。
 ……待った待った、法螺でも与太でもねえんだよ。

 こいつぁ三日限りの流れ星ってヤツさ。
 へっへ、祭りの運試しには丁度良いと思わねえか?

 ああ、でも気を付けるんだな。
 何でも其奴は”酷い恥ずかしがり”らしい。
 人に見付かると、直ぐに驚いて逃げちまうんだと』


◆ ◆ ◆ ◆ ◆

リアルタイム形式RP。
外部からのお客さまもOK、どなたさまもお気軽にどうぞ。
FairyTail Of Phantomでの一幕を、どうか楽しんで。

【開催日時】
《第一幕 10月31日》20:00~25:00頃
《第二幕 11月1日》19:00~24:00頃
《第三幕 11月2日》21:30~24:00頃

【あそびかた】
上記の舞台でおばけになりきること
眠たくなったら無理せずにおうちでねむること

【◎】
”FairyTail Of Phantom”を楽しむRP
おかしをあげたりもらったり
あまいものが苦手なひとはこっそりおしえて

【×】
メタ発言、顔文字、自分突っ込み(『〜(』『〜(←』等)
末尾の宛名書き『>◯◯』
過度の確定ロール、双方の合意が無い既知ロール
ロールで提示された情報以外のことを”キャラクター”が知っていること
セクハラ、流血沙汰の暴力、泥酔(おさけはほどほどに)
度を越した悪戯をするともれなく魔法が解けて衛兵さん(NPC)に摘み出される

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キャラクターID
(レガド・イルシオン某所)
(南瓜をくりぬいた灯籠に、色硝子で化粧した街灯たちが宵闇を照らす)
(FairyTail Of Phantom。其れはみっつの月が巡る間の、泡沫のゆめ)
(老いも若きも男も女も、誰もが”なりたい自分”になれる。世界中がとっておきの魔法に包まれるのだ)
(鏡は嫌いだ。見窄らしい自分の姿を突き付けられるから)
(常ならば胸を締め上げ、胴に布を当て、闇を纏いて性を偽る)

(けれど――今宵、影はひととき。其の”隠れ蓑”を脱ぎ捨てる)

(髪を下ろし、花をあしらい、故郷で終ぞ纏う機会を与えられなかった衣装に袖を通した)
(――鏡の中に在るのは、ひとりの娘の姿だった)

……。

(ニンゲンは影を”化け物”と称した。けれど――町中が”おばけ”で溢れ返る、今此の瞬間であるならば)

だれも、わたしを怖がらない。
……だれも、石を投げたりしない。

(耳が尖っていても。氷のような瞳でも。ありのままの姿で居ても、きっと)
(大きく息を吸い込んで、臓腑に酸素を満たす。あとはほんの少しの勇気を出すだけだ)

大丈夫。……だいじょうぶ。

(扉に手を掛け、階段を降り――人目から逃れるように、”娘”は街中へと飛び出した)

(此れは星屑売りの少女が紡ぐ、あまいあまいゆめのおはなし)
(街中を不安げに見回しながら歩いていると、聞き慣れた声に思わず飛び上がり)
(咄嗟に逃げ出そうとして、一瞬振り返って――止まる)
(なんだか、そう、なんだか。何時もの彼女より、ちいさい、ような、)

……ニコ?

(恐る恐る問うて向き直る)
(つくりものめいたうつくしさを持つ女中だが、今は、そう)

お人形さん、みたい。

(フリルとレースをふんだんにあしらったドレスは彼女の常の鋭さを丸ごと包み込んでいた)
(春色の其れは咲き初めの花のように愛らしく、感嘆の息を零して)

あ、

(彼女の手にしたハンカチが目に止まる)
(見間違いでなければ、其れは――)

つかってくれて、ありがとう。……うれしい。すごく。
(眼を緩めてはにかみ乍ら。自身の姿を指摘されれば、途端にかっと頬を朱に染め上げて)

あ、あの、ちが、これは、その、

(何がどう違うのか。常のようにフードを目深に被り直そうと伸びる指先が宙を掻く)
(逃げ場が無い。おろおろと視線を彷徨わせ乍らかんばせを俯けて)

みんなが、おばけになる、から。
わたしは、……”ほんとうのすがた”でいても、こわがられないかもって、おもって、その、

(矢張り変だろうか。恐ろしいだろうかと、尖った耳の先を垂らして)
………?………あぁ、そうか。今日が祭りの日だったか。

(宿の一室。獣が窓から外を覗く)
(まばゆい街並みに目を細めれば、道行くお化けの群れ、群れ、群れ)
(鼻腔をくすぐる甘い匂いは、街にあふれかえるお菓子のそれか)

はて、しまったな。お菓子こそ備蓄はあれど、仮装の用意を怠っていたな…

(どうにも昨今は時の流れを早く感じ、祭りのための衣装を用意するのも忘れていた自分を悔いる)
(鏡の前に立つ。いっそこのまま狼男で……いや、流石に無理か)
(牙もあるし吸血鬼……というほど高貴な服を持っているわけでもなく)
(何かないかと部屋を探す、探す、探す……)

……お、これなら………
(暫くの後に宿から出、街並みを歩くと見知った顔を見つけた)
(普段と違う装いに危うく見逃してしまいそうになってはいたが)
(まるで精巧な人形のような女中、そして少女らしい少女)
(元より華のある方々だとは思っていたが、お化けの街はより一層とそれを引き立たせる)

や、二人とも可愛らしいな。
どこかに行く途中だったかね?

(問いながら、白布で覆われた右目が隙間から光る)
(対する男の仮想はといえば)
(片目を丸々覆う包帯、服の下、手や足を隠す白の帯、帯、帯……)
(所謂ミイラ男、というものなのだろうが……)
(男が自ら結んだのか、手慣れた風に結ばれたそれらは、どちらかといえば”負傷兵”に近いものとなっていた)

良ければご一緒しても?
人形と少女には少しばかり不釣り合いかもしれないが。

(そうとも知らずに男はからからと笑いながら問いかけた) 
ヒューッ♪
化けたな、夜鷹。

(どこからか大柄な男が姿を現す)
(その顔は黒いインクでツギハギの傷がテキトーに書き込まれている)
(おそらくフランケンシュタインのような化け物を意識しているのだろう)

街はお祭り騒ぎだぜ。
何でも“なりたい自分になれる”らしいが俺にはその魔法、掛からなかったみたいだ。
まぁ、せっかくの祭りだし参加しないのは野暮ってもんだ。
てなわけでこんな仕上がりなのさ。
おっと、その声はラノールか。
そんな全身覆ってたらマジで誰かわかんねーな。

ま、街中を見てみりゃもっと凄い変身してる奴はざらにいるか。
(背後から掛かる声に、これまた娘は小さく飛び上がった)
(怖がられる事が怖かった。悲鳴でも上げられたらどうしよう、などと身を縮めたのも一瞬の事)

ぅ、……え、と、

(『お早う、元気?』くらいの軽い調子で掛けられた砂狼のことのはに、そろそろと瞑った瞼を上げて)
(見れば二人の旅の連れもまた、”御伽噺の魔法”を纏っているようだった)

へ、……へんじゃ、ない、かな。

(変か変じゃないかと言えば、砂狼の”戦場から帰ってきました”感溢れる仮装の方が生々しいものだが)
(自分の評価が低すぎる娘は隠れ蓑を失った事が不安なのか、其のかんばせを俯けたまま。男たちの何方とも目が合わない)
変も何もこの町の奴ら全員“変”だぜ?今は。
男が女になったり、人間が何かわけのわからん生物になったり…。

あんたも立派に女に化けてるしな。
変じゃねぇ、変じゃねぇ!

(夜鷹の問いに平然と答える)
にしてもあれだな…。

(ふと腕を組み思案顔を見せる)

この祭りは変装やら変身して騒げばいいのか…?
正直、こんな祭りに参加するのは初めてなんで何すりゃいいのかわかんねーぜ。

(肩を竦めて口をへの字に曲げる)
(立派に女に化けている。正確には、”そのまんま”なのだが)
(傷面の男に其れを説明するのは少々憚られたのか、娘は其の儘こくんと頷きを返した)

みんな、変……。

(”おかしいいきもの”が”おかしな群れ”に紛れても目立つ事は無い。そう、気にする事はないのだ)

何をするって、それは、

(其処で漸く顔を上げる。耳まで赤く染めて恥じ入り乍ら、”ほしのかけら”をたくさん詰め込んだ籠を抱え直して)

と、
トリックオア、トリート!
(声を掛けると星売りの少女は小さく跳ねる程驚いた様だ。少々悪いことをしただろうかと思いながら)

…そんなに驚くとは思いませんでした。

(手にしていたハンカチを示されると黙り込んだ。ムッとしたような、口を横に結んだ表情)
い、頂いたものなので…使っていても、おかしくはありませんよ。

(何故か言い訳めいた言い方をして、いつものフードを求める指先を不思議そうに眺めて)
(垂れてしまった耳に、胸が暖かくなった)
愛らしいですよ、とても。

(思ったまま、その瞳の如く星の散るスカート、ふんわりとした衣装に身を包む少女を見詰める)
(自身のすぐ隣から飛ぶ声に耳をピクリと動かす)

や、ギリアス殿もばっちり決まっているな!
なるほどな。ペイントすればよかったのか。

(仮装を用意してなくて困っていたんだと笑い)
(夜鷹の声には笑顔をもって答え)

あぁ、美しい少女だと思うよ。
いっそ絵にでも残したいくらいだな。

(そういえば写し絵なるものもあるのだったかと頭に浮かびつつ)
(ギリアスの素朴な疑問には苦笑で応え)

どうにも、人々からお菓子を貰ったりあげたりする日らしいぞ?
子供が「とりっくおあとりーと」と言ってきたら、お菓子を差し出すといい。
私たち大人はあげる側だからな。

(お菓子は持っているかい?と自身の手に持った籠の中に詰まったお菓子を見せ)
(唇を引き結ぶ人形の様子に、気を悪くしただろうかと危惧したのも一瞬の事)
(使っていてもおかしくはない。つまりは、気に入らなかったわけではないということだ)
(ほっと息を吐き出して、よかった、と小さな呟きを落として)

あ、あいらしい、

(恐ろしいではなく、愛らしい。美しい、だって!)
(慣れぬ賛辞にほてほてと熱を持つ頬を押さえ乍ら)

……その、えっと、

(人形が星を強請る声を聞き逃しては居なかったのか、赤い顔を誤魔化すようにいそいそと籠の中から青を探す)
(とびきり薄い、氷のような。だけれど、ひかりを宿したあたたかな)

ねがいごとを、此の子にたくしてみて。
ひかりが、そらに届けてくれるから。

(伺うように首を傾いで、ほのかなひかりを放つほしのかけらを人形へと差し出した)
ふむふむ、なるほど。
“こども”が“とりっくおあとりーと”ね。

(ラノールの話を聞き、今まさに目の前で真っ赤な顔の少女がその言葉を口にしている)

はい、ボクちゃん。

(そう言うとポケットにたまたま入っていた飴玉を一つ、夜鷹の手に放り込む)

いや、嬢ちゃんか。今は。
わっはっは!
(声には聞き覚えがあった、しかし振り返ると)
(先程の星売りと同じく、小さく飛び上がりそうになった。包帯グルグル巻きの人物、…しかし、直ぐにその瞳に気が付いた)

……ラノール様、でいらっしゃいましたか。
貴方様の場合、オオカミ男でも宜しかったのでは。

ええ、勿論でございます。
百鬼夜行という言葉もあります、きっと多い方が良うございましょう。

(と、続けて耳慣れた大きな声も聞こえてきた)
ギリアス様は…どちらかと言うといつも通りでいらっしゃいますね。
逆に安心すると言いますか。
(案外この中に本物の傷もあるのでは、と無遠慮な視線を投げ掛ける)
(ころんとてのひらに落とされた、油紙に包まれたひとしずくの甘露)
(一度だけ食べた事がある。果物の味がして、からころと口の中で踊る、不思議な、不思議な)

あめ!

(そう、確かそんな名前だった筈だ)
(ぱっと頬を喜色に染めると、後生大事そうにスカートのポケットに飴玉をしまい込み)

……これ、おれい。

(言うと、娘は橙色に輝くほしのかけらを傷面の男へ差し出した)
へぇ…。意外だな。
あんたも粋なことするじゃねぇか。

(ニコのお人形のような可愛らしい姿をまじまじと見つめ)

あんたも飴玉いるか?ん?

(決して悪意はないのだが、普段と違う二人の姿を見ると少し揶揄いたくなる衝動にかられ、態度に出てしまう)
(褒められ顔を赤くする少女と、少女に星を差し出される人形)
(そしてそのものずばり子供にお菓子をあげる父親かのように少女に差し出す継ぎ接ぎ男の所作にクククと笑いをこらえつつ)

なかなかこうしてるだけでも楽しいものだ。
私からはこのクッキーをあげようか。
何でもチョコの欠片が入ってるそうだよ。いっぱいあるからギリアス殿とニコ殿にもあげよう。

(3人に向けてそれぞれ差し出すようにクッキーを差し出す負傷兵……もといミイラ男の姿は中々に異様だろう)
くっきー。

(砂狼に差し出された包みからは、木の実を炒ったような香ばしい匂いがほのかに漂っている)
(”くっきー”とやらが何なのかは分からなかったが、其れが甘いものであると分かれば、娘はへにゃりと破顔した)
(存在すら知らなかった”お菓子”の魅力にすっかり虜になってしまったのか、年相応の笑顔を浮かべて、小さな小さな謝辞を添えた)

……ラノールにも、おれい。

(告げて、娘は紅色に輝くほしのかけらを差し出した)
俺はガキじゃないんだが…。

(少し戸惑った顔を見せるも素直にほしのかけらとクッキーを受け取る)

ほらよ、ラノール。
受け取りな。

(お返しとばかりに残り二つの飴玉のうちの一つをラノールに投げ渡す)
(受け取ったクッキーを頬張りながらほしのかけらを見つめ一言)

ふっ、良い色だな。
(そっと手渡された星の仔。ぱちぱちと、瞬きして掌に乗ったそれを眺める)

この仔は、願いを託すとお空へ返さねばなりませんか?

(お菓子を取り出す二人が可愛らしく思えた)
甘いものは嫌いではありませんから、ありがたく頂きましょう。
…わたくしも、用意してきましたからさしあげましょう。

(衣装に合わせたリボンやフリルで飾られたバスケットから、棒付きの様々な形をしたチョコレートを取り出す)
(籠いっぱいに詰め込んだ、色とりどりのほしのかけら)
(光の精霊を宿した其れ等は、あたたかなひかりを宿していた)
(そう、娘は”彼ら”に頼み込んで、ほしのかけらに命を吹き込んだのだ)
(みんなの願いが、祈りが、そらへと届きますようにと)

だいじょうぶ。
おねがいごとをしたら、自分のちからではひかれなくなってしまうけれど……。

(ほしのかけらをひとつ手にとって、夜空に翳して見せる)
(かけらは月と星のあかりを透かして、其の中できらきらとひかりを反射していた)

こうすれば、ずっとそばにいられるの。
(ニコ殿からのごもっともな指摘に頭を掻き)

いやぁ、最初はそうしようと思ったんだがね。
皆がみんな仮装しているのに、私だけそのままというのも寂しいだろう?
せっかくならお祭りの時にしかできないことをね。

(周りと同じように、というのは、群れとして行動する狼の本能によるものかもしれない)

ニコ殿はなかなか凄い精度の高い仮装だな。本当は人形だったりしないか?

(糸で操ってるのではないか、と女中の頭上で無遠慮に手を泳がせ)
(少女らしく笑う夜鷹殿をみて、こちらもまた笑い)

あぁ、果実とはまた違った甘さだよ。日持ちするから好きな時に食べるといい。
これは……砂糖菓子かな?ありがとう。流れ星だと思って何か願うよ。

(軽く屈んで差し出された星屑を受け取り)


(ちょこれーと。其れは知っている。其れもまた、街中で特異運命座標たちから施されたものだった)
(とびきり甘い、蕩けるしあわせのかけら)
(”星屑のお代”をもらった娘は、嬉しそうに籠を抱きしめ乍ら目を細め)

ほんとうだった。
”おばけ”のすがたを隠さないでいたら、お菓子をもらえた。
まぁ、こういうのは女こどもが主役で良いのさ。
俺らは脇を固めておこうぜ。

(ラクガキ面の男が負傷兵の肩をポンと叩く)

つか、精度高いって褒め言葉はねぇだろ…。
もっとこう、可愛いらしいとか愛くるしいとかあんだろ~?

(ラノールの何とも言えない生真面目さにくっくと笑いを堪えながらツッコむ)
ほしのかけらは、たべられない。
ほしのひかりがいっとうそそぐ、ひみつの場所にあるの。

(娘のてのひらに収まる程度の大きさのほしのかけらは、形や色は其々違うが何れも同じ代物だ)
(其処は、人々は疎か、獣たちにすら忘れ去られた洞窟だった)
(精霊たちの話し声に誘われて辿り着いた、娘だけのひみつの場所)
(”ほしのかけら”が何であるかは、実のところ娘にもよくわかっていないのだ)

(もしかしたら、本当に空から落ちてきたのかも――なんて、冗談粧して呟き乍ら)
おっと、二人もしっかり用意してあるものだな。
ありがたくいただくよ。今日はしっかり歯を磨かないとな。

(投げられた飴をキャッチし、差し出された棒状のチョコを受け取り)
(溶けてしまわぬうちにチョコを口に運びつつ、肩をたたく継ぎ接ぎ男に、そうだな、と笑いながら返事をし)

ほー……食べ物じゃないのか。
であるならばずっと飾っていられそうだな。

(星空に星の欠片をかざし、綺麗だなと呟き)
(ギリアス殿の突っ込みに、いやでも本当にすごくないかとまじまじとニコ殿を見つめ)
(少女の呟きには、これまた耳をピクリと反応させ)

本当だった、ということは誰かにそう聞いていたのかな?
夜鷹殿の先生がいるのだな!
(眠たげな目を隠しもしない長駆、もこもこした細身のダウンコートに真っ赤なマフラー)
(何かの仮装?ではない、いつもの普段着。違う点といえば)

お呼ばれしたけれど。……迷ったな。こりゃ何方に向かえばいいのかしら。

(ふぁさり、ばっさ、ばっさ)
(背中に生えた、大きな白い翼。天使らしいといえば天使らしい優雅な純白だが、特段見せびらかすでもなく、悩ましげな顔でうろうろと歩いている)

(端的に言って、道に迷っているようだ。)
(指導者が居るのかと問われれば、影は珍しく直ぐ様頷いて是を示して見せた)

おばけのせんせい。
黒くてぴかぴかの、歯車仕掛けのすてきなせんせい。

(彼が此の祭りのことを教えてくれたのだと添えて)
(不意に横切る真白い翼。飛行種であるならば、其の在りようは何ら不自然なものではない)
(けれど、――嗚呼、嗚呼、)

きゅーじー!

(自身を”ともだち”だと言ってくれたひと。其の姿を見間違えるものか)
(思いの外大きな声を出してしまった事に、慌てて両手のひらで口元を覆い)
ーーあっ、
(その声は、その舌っ足らずさは。)

(呼びかけに振り向くと、目を見開いて)
(言葉を失う)

(当然仮装しているものだとは知っていた。普段とは違う格好、というよりも)
(お手紙での…あのときの口ぶりでは、『本当の自分のすがた』を見せると、言っていた気がしたけれど)

……うそ、夜鷹ちゃん?
(いそいそと髪留めを外せば、肩に掛けたポシェットに仕舞い込む)
(代わりに中から取り出したのは――そう、彼女から贈られた、紫のアネモネだった)
(慣れない手付きでぱちりと留めれば、彼女への”おひろめ”に足りるであろうか)

ね、……ねがいぼし。いかがですか。

(真白い翼を持つきみへ。色とりどりの星屑を詰め込んだ籠を掲げて、恐る恐るといった体で視線を上げた)
ほほー、歯車仕掛け……いい先生なのだな。
素敵な知り合いがいるようだ。

(歯車というと機工種の人だろうか)
(存外夜鷹殿も顔が広いらしい。……と考えてる矢先、さらにその認識を深める出会い)

ん?知り合いかな?

(夜鷹殿の珍しく大きな声で呼びかける姿に、声の行く先を振り向き)
(天使の羽をはばたかせ、困り顔から驚くような顔へと表情を変える女性)

お化けの日に中々神聖な生き物が歩いているな。素敵な羽だ。
こんばんは、”きゅーじー”?殿?

(少女の言葉をまねるように、おそらく名前だと思われる言葉を発音し)
ああ、あんた街角で見たことあるな。

(暗闇から“ぬっ”とフランケンシュタインの雑な仮装をした男がQZに声をかける)

よぉ、俺はギリアスってんだ。
よろしくな。
せんせいは、すごい。
おばけがどうあるべきか、どうしたらおかしがもらえるのか、たくさん研究してた。

(肝心の彼は、準備段階ではシーツお化けだったようだが、はて)
(今日もきっと何処かでお菓子を山ほど貰っている筈だと添えつつに)
(知り合いかと、砂狼が問う声にはこくこくと何度か頷いて)

あの、……と、ともだち。

(”ともだち”。其のことのはを口に出すことに、未だ慣れない)
(けれど、そう望まれた呼称を確りと伝え)
……夜鷹ちゃん、だ。
すっっごいーー

かわいいっっ!!!

(紫色のアネモネを模した髪飾り、その煌めきにも負けない愛くるしさに、目を見開いたまま駆け寄って)

こんばんは夜鷹ちゃん!ハッピーハロウィン、すごく綺麗っ……

(一気に言葉を浴びせようとしかけて、差し出された星屑を見て留まる。)
(そうか、そういう趣向だったね、と。可愛らしさに心を奪われた自分にちょっと笑ってしまいつつ)

うん、おひとつくださいな、かわいいお嬢さん!

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