バンデッド・スイーパー

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  バンデッド・スイーパー

  舞台は幻想。
  場所は山賊峠。
  始まるは山賊退治。

「オッ、奇遇だね」
　いつものようにギルド・ローレットへと足を運んでいたgivenは、唐突に声を掛けられた。
　酒焼けしたような低い声の主を探す間もなく、それは姿を見せるだろう。
　──グドルフ・ボイデル。
　薄汚い装い。撫でつけた油っぽい白髪。手入れのされていない髭。
　抜けた前歯を見せつけ、酒臭い息を吐きながら笑う小汚い男。
　そんな男に声を掛けられて、まあ恐らく大多数の者はいい気分等しないだろうが──。
「付き合えよ。そこらのチンケな仕事より、よっぽどカネになる仕事を回してやるぜ」
　グドルフは有無を言わさず、givenをローレットから引っ張り出した。
「おれさまの個人的な依頼さ、情報屋どもに聴かれるのも面倒でね」

　グドルフの話はこうだ。
　『山賊峠』と呼ばれる場所で、山賊達が増えている。
　何を隠そう目の前のこの男もその山賊の一人であるのだが、どうにも『エモノの奪い合い』に競り負けて、山賊稼業じゃ食えなくなってしまったと。
　そこで、利益を独り占めする為に『自分以外の山賊ども』を排除したい──という事らしい。
「──カンタンな仕事だろ？　ろくすっぽ戦闘経験もねえ、連携もクソもとれねえ烏合の衆さ。
　百戦錬磨のおめえを見込んで頼んでんだ。やってくれるだろ？　givenよお」

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